労災事故事例と安全対策

はじめに

労働安全衛生法は、「職場における労働者の安全と健康を確保する(第一条)」を目的とし、第三条では「単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない」とあるように、事業者へ労働者の安全と健康の確保を義務付けています。

また、第四条で、労働災害を防止するため必要な事項の遵守や関係者が実施する労災防止措置への協力について、労働者に対しても義務付けています。

このように、事業者、労働者共に労災防止のために努力しなければなりませんし、労使一体となって労災防止の取組みを行っていますが、労災は一向に減少していないのが現状です。

日本塗料工業会の安全環境委員会の安全基準検討WGでは、このような状況に危機感を持ち、安全対策に重点を置いた安全教育資料の作成に取り組んでいます。この資料では、どんな状況で災害が発生したかということは勿論、その災害を経験することで会員企業がどのような安全対策を取ったのかについても、豊富な事例を掲載しています。安全対策事例を複数掲載しているのは、労災防止の安全対策を考えておられる企業で、その企業に合った対策ができるようにするためです。

皆様には、ここに載せた資料を有効に活用していただき、労災ゼロに向けて各種施策を行っていただきますよう、お願い致します。

 

内容イメージ

日塗工会員企業の労働災害件数の推移

労災グラフ

休業災害と不休災害を足した年間の総災害件数では、ここ数年間横ばいである

過去5年(2014~2018)の労災の型の分析

1. 事故の型<事例集>

※下の色つきの凡例は、各事故の型の詳細ページにリンクしています。

△ から詳細ページへ。

はさまれ,巻込まれ △21%
切れ・こすれ△19%
有害物との接触△ 17%

激突(当たる・ぶつかる)△

9%
転倒△9%
墜落・転落△8%
動作の反動・
無理な動作△
8%
飛来・落下△4%
高温物との接触(途中)△4%
爆発0
火災0
感電0
その他△1%

事故の型

塗料業界では、 「はさまれ、巻き込まれ」
「切れ、こすれ」 「有害物との接触」
の3つの事故の型で約6割を占める。


2. 被災者の職種

職種

事故の原因となる設備で作業する製造が最も多く、次いで技術となっている。
この2職種で 80%を占める。


3. 被災者の年齢

被災者の年齢

20~40才代の被災者が多い。


4. 被災者の勤続年数

勤続年数

勤続10年未満の被災者が多い。


5. 被災者の経験年数

 

被災者の経験年数(詳細)

労災被災者は、該当業務の経験年数の浅い人が圧倒的多数を占める。


point
勤続年数の長い、中堅~ベテラン社員でも、異動により職場や担当設備が変わった場合は新入社員と同じように、労災を起こす可能性が高い。新入社員や異動者に対しては、継続的に職場に合った安全教育を行う必要があると考える。

安全対策事例のトップページに戻る