遮熱性能基準 解説 Q&A

遮熱性能基準のQ&Aをお届けします。Aくん

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遮熱性能基準のQ&A
Qちゃん
Qちゃん
日本塗料工業会で遮熱塗料の遮熱基準を決めたって、
知っている?
日塗工ホームページや業界新聞に載っているね。
最近、塗料屋さんも宣伝しているよ。
Aくん
Aくん
Qちゃん
Qちゃん
どんな基準か、知ってるの?
屋根に遮熱塗料を塗ると室内に入ってくる太陽の熱を低減させることができるんだ。
その遮熱性能を星の数でランク付けしたんだ。
星の数が多ければ、夏の昼でも室内の温度は上がりづらいんだ。
Aくん
Qちゃん
Qちゃん
よく知っているね?
下の図が分かりやすいね。
遮熱の図解
屋根に遮熱塗料を塗ると室内に入ってくる太陽の熱を低減させることができるんだ。
その遮熱性能を星の数でランク付けしたんだ。
星の数が多ければ、夏の昼でも室内の温度は上がりづらいんだ。
Aくん
Qちゃん
Qちゃん
そう。この日射侵入比は
JIS K 5603という規格で測定方法が決まっているの。
この遮熱基準は、塗料業界がみんなで決めているし、
測定方法もJISで決められているので信頼できるね。

Aくん
Qちゃん
Qちゃん
そうそう、この表示があるかもチェックしてね。
遮熱表示
Qちゃん
Qちゃん
これは、☆が付けれる遮熱塗料であることを日塗工が認定し、登録しているよ、ということを示しているの。
日塗工ホームページでも登録商品と遮熱性能がチェックできるよ。
これが表示されていれば、安心だよね。
Qちゃん
Qちゃん
それでは、遮熱性能基準を説明するね。
Qちゃん
Qちゃん
上の図は遮熱塗料の遮熱基準を示した図ね。
横軸が色の明るさを示しているの。
明るさを示す値をL値と言うの。
その値が大きくなると白い色になるの。
白などの明るい色はL値80以上、
黒などの暗い色は40以下ね。
縦軸はさっきの日射侵入比ね。
日射侵入比の数値が1より小さくなると熱が入りづらくなるから☆の数が増えるわけね。
白色はよく光を反射するから涼しいって言うよね、
L値という数値では80以上の色だね。
黒などの暗い色はL値40以下だから、太陽の光をよく吸収して熱に変えちゃうんだ。
Aくん
Qちゃん
Qちゃん
よく知っているね。
黒い色はカーボンブラックという顔料を使っているの。
これが光をすごく吸収して全部、熱に変えてしまうの。
だから、黒い色で日射侵入比0.8以下にすることでも、たいへんな技術なのよ。
そうなんだ。
遮熱塗料は黒い色でも太陽光を反射させることができるんだ。
すごい技術だね。
Aくん
Qちゃん
Qちゃん
逆に、白い色はチタンという顔料が入っているから太陽光を反射させやすいの。
だから、一般塗料でも日射侵入比が0.5ぐらいにはなるの。
☆2つはあることになるわね。
でも、遮熱塗料はそれよりずっと日射侵入比は低いの。
そのため、この遮熱基準では白い色は☆3つしかないの。
そう、この遮熱基準は同じ色の一般塗料との比較なのよ。
そうなんだ。
やっと図の段違いの意味が分かったよ。
白い色の一般塗料より、☆3つの遮熱塗料がより涼しく、省エネになるんだね。
それじゃ、僕の家の屋根も白くして☆3つにすれば、夏は涼しいね。
Aくん
Qちゃん
Qちゃん
そこが難しいのよ。
日本の戸建ての屋根はみんな暗い色よ。
日塗工調査では、95%以上が暗い色だったそうよ。
伝統と景観も考慮しないといけないの。
第一、白は眩しくて、近所迷惑よ。
世界でも、壁は白いけど屋根は暗い色が多いね。
屋根の塗替えはやっぱり暗い色になるね。
その中で☆のある遮熱塗料を選べばいいんだね。
さらに遮熱性能に拘って、日射侵入比の小さい色や思い切って☆2つを選べばいいんだね。
Aくん
Qちゃん
Qちゃん
明るい色で☆2つの遮熱塗料は、戸建て屋根としては、大胆な色になっちゃうよ。
どうかしら?
明るい色や白い色は工場屋根や体育館などの施設の屋根がいいかもしれないね。
そうだ。
この遮熱塗料の基準の範囲は塗装する場所で使い分ければいいんだ。
そうすれば、同じ色で一般塗料と比較してできたこの遮熱性能基準の意味が分かってくるね。
Aくん

Aくん

今、日本は暑い期間が長く、しかも気温もどんどん高くなっているね。
遮熱塗料で塗り替えると涼しくなるし、省エネにも繋がるね。

戸建て住宅の屋根は、暗い色だけれど、☆のある遮熱塗料を使ってもらいたいね。
次に塗り替える時には☆3つの遮熱塗料もできているかも? また、工場や施設は、近所迷惑になることも少ないから、思い切った色を使えるね。
その時には、☆3つの遮熱塗料を使ってほしいね。
そこで働く人や運動する人が楽になったという話もよく聞くよ。

面白い話があるよ。北海道の牛舎の屋根に遮熱塗料を塗ったら、夏場でも牛くんがお乳をたくさん出してくれるようになったって。

温暖化が進む日本、簡単にできる暑熱対策、省エネ対策で遮熱塗料の出番はますます増えていくね。