社団法人 日本塗料工業会 Japan Paint Manufacturers Association

色彩の創造―携帯電話のボディカラーはこうして決まる





カラープレゼンテーションの実際

 では、携帯電話の”色や形“はどのようにして決まるのか。また、その過程において、塗料メーカーはどのような形で関わり合っているのだろうか・・・。
 塗料メーカーが参画する色彩創造には、二つのケースがある。一般的なのは、新機種の色彩開発を依頼されて行うカラープレゼンテーション。特定の新機種開発に直結した色彩創造である。
 このケースでは、まず通信事業者から電話機メーカーに、新機種のコンセプトが提示される。電話機メーカーは、それをもとにデザインを考え、モックと呼ばれる原寸模型を作って承認を得る。デザインが決まると、塗料メーカーに開発依頼が出るという流れだ。




 「依頼内容は電話機メーカーのデザイナーから言葉や写真などで伝えられます。一例をあげると『シルクのような光沢』とか『優雅さと気品』といった具合です。こうしたデザイナーのカラーイメージを忠実に再現する塗料を開発し、成形・塗装会社に供給することが塗料メーカーの役割です」(小林勇さん、以下同じ)
 塗料としての色は、電話機メーカーのデザイナーが塗料メーカーに出向き、塗装されたサンプルを評価し、必要に応じて修正が加えられて決定となる。
 「プレゼンテーションルームと同じ建物内に塗装室があり、修正したものは1時間ほどで用意できますが、時として検討作業が深夜に及ぶこともあります。色が決まると1週間後には、成形・塗装会社の生産ラインで量産性の確認を行い、正式承認となります」。




 目標品質を達成するには、塗装技術も重要なカギとなるため、成形・塗装会社と一体となった技術開発が展開される。また、塗料開発についても、アルミ・パール・顔料といった材料メーカーとの連携を強化しながら新規素材・技術の開発が進められている。
 塗料メーカーが参画するもう一つの色彩創造は、独自の調査や分析データをもとに、新しい塗料・塗装技術、デザイン案などを提案するもの。カラートレンドを踏まえて1〜2年先の携帯電話の色彩開発を提案する、一歩踏み出した未来塗料のプレゼンテーションである。




 「6年前から年に1回実施してきました。テーマは、色の調和、四季をイメージした色彩の組み合わせ、心で感じる色彩、とさまざまです。従来の色彩開発は、調色技術力を中心に置いた色彩提案でしたが、こうした活動を始めてからは、収集データをもとに提案色を決め、カラーイメージを立体グラフ(独自に考案)を使って説明するなど、根拠を明確にした提案内容としています」。




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